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中小企業の事業承継と税理士の役割・知っておきたい節税対策

2025年05月06日
中小企業の事業承継と税理士の役割・知っておきたい節税対策

中小企業の事業承継と税理士の役割

中小企業の事業承継と税理士の役割

事業承継の重要性と課題

事業承継とは、企業の経営者が後継者に事業を引き継ぐプロセスを指します。具体的には、経営権や資産、技術やノウハウなどを次世代に移転する一連の活動を意味します。

中小企業にとって、事業承継は避けて通れない重要な経営課題です。しかし、多くの経営者がその重要性を認識しながらも、具体的な対策を講じていないのが現状です。

事業承継の重要性は以下の点にあります。

  • 企業の存続と発展
  • 雇用の維持
  • 地域経済への貢献
  • 技術やノウハウの継承

一方で、事業承継には様々な課題が存在します。主な課題として以下が挙げられます。

  • 後継者の確保と育成
  • 自社株式の評価と移転
  • 事業用資産の承継
  • 借入金や保証債務の処理
  • 従業員や取引先との関係維持

特に深刻な問題として、経営者の高齢化と後継者不足があります。中小企業の経営者の高齢化が進み、後継者を見つけて育てていくことに苦労しているのが現状です。これは、優れた技術やノウハウを持つ中小企業が消滅してしまう危険性を示しています。

事業承継を成功させるためには、以下の3つの要素を適切に承継することが重要です。

承継要素 内容
人(経営) 経営権、後継者の選定・育成
資産 株式、事業用資産、資金
知的資産 経営理念、技術、ノウハウ、人脈

これらの要素を円滑に承継するためには、早期の計画立案と十分な準備期間が必要です。多くの専門家は、5年から10年以上の準備期間を設けることを推奨しています。

事業承継の課題に直面している経営者の方は、税理士などの専門家に相談し、適切な対策を講じることが重要です。

事業承継の種類

事業承継の種類は、大きく3つに分けられます。

親族内承継

親族内承継は、現経営者の子供や兄弟姉妹などの親族に事業を引き継ぐ方法です。

【特徴】

  • 心情面での安心感が得られやすい
  • 長期的な準備期間を確保しやすい
  • 相続などによる財産や株式の移転がスムーズ

一方で、後継者の経営能力や意欲が不十分な場合もあり、慎重な検討が必要です。

従業員承継

従業員承継は、親族以外の従業員に事業を引き継ぐ方法です。

【特徴】

  • 経営能力のある人材を選んで承継できる
  • 長年働いてきた従業員であれば、経営方針の一貫性が期待できる

ただし、資金面での課題や、他の従業員との関係性の変化に注意が必要です。

M&A(社外への引き継ぎ)

M&Aは、社外の第三者(企業や創業希望者など)に株式譲渡や事業譲渡を行う方法です。

【特徴】

  • 親族や社内に適任者がいない場合でも、広く候補者を求められる
  • 現経営者は会社売却の利益を得られる可能性がある
  • 新たな経営資源や技術の導入によって、事業の発展が期待できる

ただし、従業員の雇用や取引先との関係維持など、慎重な対応が求められます。

事業承継の方法を選ぶ際は、自社の状況や後継者の有無、事業の将来性などを総合的に判断することが大切です。早めに専門家に相談し、最適な方法を見つけることをおすすめします。

事業承継で税理士が果たす役割

中小企業の事業承継において、税理士は非常に重要な役割を担っています。その役割は多岐にわたり、以下のような業務を行います。

財務分析と税務相談
  • 企業の財務状況を詳細に分析
  • 相続税や贈与税に関する相談対応
  • 節税対策の提案と実行支援
事業承継計画の立案支援
  • 現状の課題抽出と解決策の提示
  • 中長期的な事業承継スケジュールの作成
  • 後継者の選定や育成計画へのアドバイス
株式評価と移転のサポート
  • 自社株式の適正な評価
  • 種類株式などを活用した段階的な株式移転の設計
  • 株式の贈与や譲渡に関する税務処理
事業承継税制の活用
  • 特例措置の適用可否の判断
  • 申請手続きのサポート
  • 要件維持のための継続的なフォロー
M&A支援
  • 企業価値評価
  • デューデリジェンスの実施
  • 税務面でのリスク分析と対策立案
公的支援制度の活用アドバイス
  • 各種補助金や融資制度の紹介
  • 申請書類の作成支援

このように、税理士は単なる税務処理だけでなく、事業承継の全体像を見据えた総合的なアドバイザーとしての役割を果たします。中小企業の経営者は早い段階から信頼できる税理士と連携し、スムーズな事業承継の実現を目指すことが重要です。

中小企業における事業承継準備の進め方

中小企業の事業承継を円滑に進めるには、早い段階から準備を始めることが不可欠です。準備不足のまま進めると、後継者選びや税務、財務面で思わぬトラブルに直面する恐れがあります。理想は税理士の専門知識を活かし、現経営者と後継者が協力しながら、現状分析や課題の洗い出しを行うことです。事業承継計画書を作成し、必要な手続きをリストアップしてください。財務状況や自社株評価の確認、事業承継税制の適用可否など、段階的に準備を進めましょう。

税理士は中小企業ならではの悩みや、事業承継のタイミング、税負担の軽減策など、多角的にサポートします。経営のバトンを無理なく引き継ぐためにも、後継者や専門家と連携し、最適な準備方法を見つけることが重要です。

中小企業の事業承継における節税対策

中小企業の事業承継における節税対策

中小企業の事業承継において、税負担の軽減は重要な課題です。こちらでは事業承継税制の活用方法と、相続税・贈与税の基本的な対策について解説します。

事業承継税制の概要と活用方法

事業承継税制は、中小企業の円滑な事業承継を支援するための制度です。この制度を活用することで、後継者が先代経営者から自社株式を取得する際の贈与税や相続税の負担を大幅に軽減できます。

事業承継税制には一般措置と特例措置があります。特に、2018年度の税制改正で導入された特例措置は、2027年12月末までの期間限定で適用され、以下のような大きなメリットがあります。

  • 対象株式数の上限撤廃(一般措置:2/3→特例措置:全株式)
  • 納税猶予割合の拡大(一般措置:80%→特例措置:100%)
  • 複数の株主から最大3人の後継者への承継が可能
  • 雇用要件の緩和(5年間の雇用平均が8割未達でも猶予は継続)

この制度を最大限に活用するためには、早期の計画立案と専門家への相談が不可欠です。税理士や公認会計士などの専門家と連携し、自社の状況に合わせた最適な事業承継の方法を検討しましょう。

相続税・贈与税の基本と対策

相続税と贈与税は、事業承継において大きな負担となる可能性があります。これらの税金について正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。

まず、相続税の基本について説明します。

  • 相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる税金です。
  • 課税対象となる財産の合計額から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いた額に税率をかけて計算します。
  • 税率は10%~55%の累進課税方式となっています。

一方、贈与税の基本は以下のとおりです。

  • 贈与税は、個人から財産をもらった場合にかかる税金です。
  • 年間110万円までの基礎控除があり、それを超える部分に対して課税されます。
  • 税率は10%~55%の累進課税方式です。

これらの税金に対する主な対策としては、以下のようなものがあります。

事業承継税制の活用
  • 非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予制度を利用
  • 要件を満たせば、最大で100%の納税猶予が可能
相続時精算課税制度の利用
  • 60歳以上の父母または祖父母などから18歳以上の子・孫などへの贈与に適用
  • 2,500万円までの特別控除があり、相続時に精算
計画的な生前贈与
  • 毎年の基礎控除(110万円)を活用した段階的な資産移転
自社株式の評価方法の見直し
  • 適切な評価方法を選択し、株価を適正に評価

これらの対策を適切に組み合わせることで、事業承継における税負担を軽減できる可能性があります。ただし、個々の状況に応じて最適な方法が異なるため、専門家への相談をおすすめします。

中小企業の事業承継を成功させよう!早期の計画立案の重要性

中小企業の事業承継を成功に導くためには、早い段階からの準備が欠かせません。多くの中小企業経営者が日々の業務に追われ、事業承継の準備を後回しにしがちですが、これが企業存続におけるリスクを高めています。

早期に計画を立案することには、次のようなメリットがあります。

十分な準備期間の確保

後継者の育成に必要な時間を確保でき、経営ノウハウをスムーズに承継することが可能となります。

リスク対応力の向上

突然の事態が発生しても柔軟に対応できるほか、経営環境の変化にも適応する余裕を持つことができます。

税制優遇措置の活用

事業承継税制などの特例を最大限に活用することで、相続税や贈与税の負担を軽減し、計画的な資産移転が実現します。

従業員や取引先の不安解消

早めの準備による円滑な承継は、従業員や取引先からの信頼を高め、企業の継続性を確保する要因になります。また、人材流出や取引先との関係悪化を防ぐ効果も期待できます。

企業価値の向上

長期的な視点で経営戦略を描くことで、後継者による新たなアイデアの段階的な導入が可能となり、企業価値のさらなる向上につながります。

このように、税理士のサポートを受けながら早期の事業承継計画を立案することは、中小企業が安定した運営基盤を築き、持続的な成長を実現するうえで極めて重要です。中小企業の経営者の皆様には、今すぐにでも事業承継の準備に取りかかることを強くおすすめします。

中小企業の事業承継に向けた後継者育成の重要性

事業承継において、後継者の育成は成功を左右する重要な要素です。中小企業では、親族や従業員を後継者に選ぶケースが多いですが、経営者としての能力や意欲を高めるための準備が必要です。具体的には、財務知識の習得、経営戦略の策定能力、従業員や取引先との信頼関係の構築が求められます。税理士は、後継者育成において財務や税務の知識提供、事業計画の策定支援などの役割を果たします。早期の育成計画を立てることで、スムーズな承継と企業の発展を実現する土台を築けます。

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